余剰汚泥

余剰汚泥(よじょうおでい)は、水処理過程で発生する不要な汚泥のことを指します。

余剰汚泥の発生

水処理施設、特に下水処理場では、汚水中の有機物や栄養塩類を微生物が分解・吸収することで、処理水を清浄化します。この処理過程で増殖した微生物や、分解しきれなかった有機物の残渣が汚泥として生成されます。この汚泥のうち、処理システム内で再利用できない部分が余剰汚泥として排出されます。

余剰汚泥は、以下のプロセスで発生します:

  • 活性汚泥法:一般的な下水処理方法である活性汚泥法では、空気を吹き込むことで微生物が有機物を分解します。微生物は増殖し、新たな細胞を形成します。この過程で生成された微生物の一部が余剰汚泥として除去されます。
  • 物理的処理:沈殿池などで固形物が沈降する過程で発生する沈殿物も、余剰汚泥に含まれます。

余剰汚泥の処理方法

余剰汚泥の処理には以下の方法があります:

  • 濃縮:余剰汚泥はまず濃縮され、水分を減らすことで処理効率を向上させます。濃縮は通常、重力濃縮槽や機械的濃縮装置を使用して行われます。
  • 消化:濃縮された汚泥は消化槽に送られ、嫌気性または好気性の微生物によって分解されます。これにより、汚泥の体積が減少し、安定化されます。嫌気性消化では、メタンガスが生成され、エネルギー源として利用されることがあります。
  • 脱水:消化後の汚泥はさらに脱水され、水分含量をさらに低減させます。脱水には遠心分離機、フィルタープレス、ベルトプレスなどが使用されます。
  • 最終処分:脱水された汚泥は、焼却や埋立、農業用地への利用などの方法で最終処分されます。一部の汚泥は、肥料や土壌改良材として再利用されることもあります。

余剰汚泥の課題

余剰汚泥の管理には以下の課題があります:

  • 量の増加:下水処理施設の処理能力が向上し、処理量が増加するにつれて、余剰汚泥の発生量も増加しています。このため、処理施設では効率的な汚泥処理が求められています。
  • コスト:余剰汚泥の処理には高いコストがかかります。濃縮、消化、脱水、最終処分といった各段階での設備投資や運転費用が必要です。
  • 環境への影響:汚泥の最終処分方法が環境に与える影響も考慮する必要があります。例えば、焼却による大気汚染や埋立による土壌汚染などです。